EU統計局の4月発表によると、今年2月のユーロ圏17カ国失業率が過去最悪を更新して、12%になりました。 ニュースでEU諸国がえらく大変なことになっていてドキドキしますが、チロル州の田舎の村ではリーマンショックの頃からどこ吹く風で、今でも不況の影響があまり感じられません。 ドイツの幼稚園で、イタリア人とスペイン人の子供が、たどたどしいドイツ語で通っていることに、現実を垣間見た気がしましたが、唯一それくらいです。 (´∀`)十分なエピソードでは…? JETRO(日本貿易振興機構)の日本語資料によると、チロル州のあるオーストリアは、この表では失業率4.8%と一番低い国でした。ドイツは2番目に低い5.4%です。 私の肌感覚もあながち的外れではないようです。 参考記事 JETRO:EUの2月失業率は前月比0.1ポイント上昇 それで、こんな田舎の村なのになぜ失業している知人友人等がいないのかを、勝手に素人推測してみました。 たぶんこの辺りの村には、そもそも昔から、雇用される仕事が少なかったから、今でも求人と求職者のどちらも少ないのかもしれません。 求人が少ないから、自分で事業を興す人は多いです。 「仕事がなければ、自分で作るんだよ。」と。 この辺りで人気店の「おばあちゃんカフェ(仮名)」も、 そこのおばあちゃんが約4年前に開業したカフェです。 その年齢で就職するのはやはり難しいからなのか、好きなことを好きなペースでやりたいのか、お店を経営しているおばあちゃんは多いです。 定年生活をのんびり楽しむだけよりも、働くのが好きなご老人はいっぱいいます。 そういう人が、家族代々。親戚友人も。 どこの家も、たいていは会社登録を1つは持ってるようで、家族の誰かが何か事業を始めたければ登録を引き継いで、自分がやりたい商売を始めるようです。 (゜д゜;)「でも、商売って、そんなに簡単じゃないでしょう…?」 と思われるかもしれませんが、昨日の記事で書いたように、この辺りの地域では時間が大切で、ガソリン代も大切だから、少々値段が高くても近くのお店で購入する傾向があるので、1人会社なら十分成り立ったりするみたいです。 しかも、家族親戚の家代々だから、経営のアドバイスができる人はいっぱいいます。 ダンナくんの友達は起業したり就職したり、ほとんどみんな地元にいますが、もし仕事が作れなければ、若者は都会のウィーンやミュンヘンへ行くらしいです。 そういう環境だから、チロル州に住み続けたいなら必然的に、進路を決める小学生頃から、雇われない生き方も考えているようです。 そんな独立独歩の地域に、ひょっこり来た私。 「寿司レストランを始めたら?」
などと、軽く言われます。 いきなり飲食業! (llʘิДʘิll) 自宅で手巻き寿司くらいしかやったことないのに! (ヾノ・∀・`)無理無理、絶対無理っす、と言ってるのだけど この前、チロル州で大評判のアジア料理レストランで 細巻きの天ぷらを見て、 ちょっと間違えて勇気が出そうになりました。( ´θ`)でないけど。
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チロル州の文化風習の傾向は、昔ながらのスタイルが現代も色濃く残っている印象があります。 (以下、私個人が外国の田舎暮らしから感じた単なる推測で、正確性は期待しないでください。というか、私のブログサイト全体、話半分でよろしくどうぞ。) 昔、チロル州の多くの村が、冬は雪で閉ざされていた為、谷ごとに文化や言葉の訛りが少しずつ違うと聞いています。 昔はそんなに豪雪だったのか…と思ったら、どうも気候や技術的な問題ではなく、 「雪かきしてまで、遠くに行く必要がなかったから。」ということらしいです。 私はチロル州の古い農家の家を集めた博物館を見学したことがあって、その建物の造りから、昔の暮らしを想像しました。 雪で閉ざされる冬の半年間、生活物資が不足しないように、夏の間に冬の分も働いて、家族だけでなく家畜の分まで食料や燃料を蓄えます。住居建物も冬を越せるように、補強や手入れなどをするのも、全て夏の終わりまでに終わらせます。 つまり、半年間、2倍働く必要があります。 濃縮して働くから、合理的な考え方や働き方を、代々実践しているようです。 たぶんそういった歴史からなのか、ここでは物だけでなく、時間も貴重、ということが重要なキーワードのようです。 除雪車がある現代でも、冬の準備は食料品以外だいたい昔と同じようです。 お店は雪で阻まれる冬にたくさん薪を売るよりも、雪が降る前のほうが楽なので、夏に売る分は安く値段設定しています。建物の補修もしかり。だから皆も夏の終わりまでに冬の準備を全てします。 そんなわけで 私が時間の無駄遣いをすると、ポカーン( ゚д゚) とされます。 物は大切でも、時間も大切なので、それが倹約のためであっても収支が論理的でなければ、手間隙かけることを良しとしません。 日本と感覚が違うので、主婦の間で一般的によく言われるような「1円でも安い店に行く」類いの意義は、全く、理解してもらえません。 1円でも、というのはオーバーだとして、仮に、別の店で買えば100円得をするとしましょう。 車で行くとガソリン代がかかるので、自転車や徒歩で行ける範囲と仮定して、そこから別の店へ入店して脇目も振らずにレジで買い物を済ませるまで全部で最速20分かかったとしましょう。(この辺りのお店のレジは遅いです。) もし仮に、ここでそういうことをしたとしたら、「100円節約した倹約家」とは受け取られず、「時給300円の人間」と思われます。(もし1円差なら、時給3円です。) 1年間、月12回(週3回程度)これをやったとして、倹約できる金額は14,400円。 それに消費する時間は、20分x年144回=2,880分(48時間) 48時間って、1日8時間労働なら、6日間分。 6日間分の時間を使って、14,400円…???、みたいな感覚らしいです。 もし時給換算せずに「日頃がんばって倹約している私にご褒美♡」をしたら更に赤字だし、そんな時給の人間は少なくとも先進国にはいないので、 彼らなりに理解しようと努力して、 「( ゚д゚)……ああ、そういう趣味なんだね!」と無邪気に解釈されます。 働いて貰えるお金よりも低い金額は、全て、趣味カテゴリーです。 趣味じゃないなら、じゃあ働けばいいのに???となります。 (注:就労環境が、他国・他地域と違うので、違う地域と混同しないでください。) 私の場合、 食洗機を使わずに一部手洗いしてたのが、 彼らにとっては 「なんでわざわざ、そんなことに時間を使うの?? ( ゚д゚)」 と、趣味だと思われていたようです。 (:.o゚з゚o:.).:∵ぶっ コレはちょっと手洗いすれば済むから、食洗機を使わず、倹約…(*´ェ`*人)…♥”ってつもりだったのだけど、貴重な時間を使ってまで得たい金額じゃないだろう、というのが、(少なくとも私たちのコミュニティでは)大多数の考え方のようです。食器洗いの完成度よりも、それはだいたいでいいから、時間のほうが大切、と。 まあ、食洗機メーカー曰く、最近は手洗いするよりもキレイかつ節水らしいから、確かに趣味枠かもしれません。 で、その「無駄遣いしないで、集めた時間」を何に使うのかというと、 家族や友達との時間や、趣味の時間だけでなく ぼーっとする時間にも、使われます。 (:.o゚з゚o:.).:∵ぶっ スキマ時間をいかに有効活用するかっていう時代の流れに逆行するような話ですが、実際にやってみると、ものすごく気持ちいいです。 元々、私自身「ボンヤリするのは悪 」みたいな時間貧乏性で、最初は落ち着かなかったのだけど、最終的には温泉宿にいるような時間の流れになりました。 で、ゆっくり落ち着けた分、 翌日も時間を濃縮してガガッと、密度高く働けたりします。 「あ、だからか!」∑(@Д@; と、勝手に納得。 このボーッとする時間は、ここでは時間の無駄遣いにカウントされません。 チロル州の文化は、よく理にかなってるなとつくづく思います。(勝手に) 息子はもう4才で一度言えばわかるから、部屋も片付いていて、家事が相当楽になってきたというのもありますが、幼児がいるのに温泉宿に行かずしてこのゆるり感、手放せなくなりました。 これも、病気した時に思い直して、趣味枠になる作業や、手間がかかりすぎる業務を終わりにしたおかげです。 もちろん代わりに失うものもあり、収入も穏やかではありませんが、咳もまだ出るので、これでよかったです。毎日ゆるりと生活できます。 昔、ギュウギュウに隙間なく働いてた時は、ストレスが多くて散財も多かったです。 びっちり全く隙間無い生活をすると、その反動が大きいことをよく知っています。 チロルの人達にとっては「見栄」さえも「何の意味が?」の無駄カテで、いろんな物に全然お金をかけないし、残金で考えると、結局あんまり変わらないかもしれません。 どちらの生き方も知っている私にとって、結局のところ、毎日300円払って毎日1時間のんびりする道のほうが、いいように思います。 東京の生活は普段でも満足要求レベルが高すぎるし、日々我慢することや散財することが普通ってなると、なかなか変えられないんですけど…。 そのギュウギュウだった当時、なんとか時間を捻出しようと、あらゆる時間術の本を読みました。 「エレベーターのボタンは、閉めるボタンを先に押して、ドアが閉まりながら階ボタンを押せば、少し時間の節約ができる。」みたいなテクニックまでありましたが、
それらはここで、ギャグのネタとして使っています。(笑) 住む土地、その土地の文化によって、緩急自在に変化しながら、私だけの自分スタイルが決まりつつあります。自分だけのカスタマイズが楽しいです。 遥か昔。 うろ覚えのTV番組の記憶。 「外国人が作って、おかしな日本文化になっちゃった海外B級映画を紹介!」 みたいなテーマで、 関根勤さんあたりが大喜びでコメントしてたTV番組を見た記憶があって、 いろんななんじゃこりゃー!の中で、忘れられない1シーンがあります。 怒れる日本のヤクザが ついに外国マフィアの拠点に乗り込んで 次々に外国人を倒し、 その倒した敵の数の証、みたいな感じで 倒した相手の小指を切り取って、袋に入れて収集していました。 (llʘิДʘิll) 違う!それ、そういうんじゃないよ!たぶん! どうしてそうなったんだろう?と爆笑した記憶があります。 タイトルとか全く覚えてないけど。 ふと、 こちらでも有名な、名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」に ダンナくんは何か違和感を感じたか気になって、聞いてみました。 アニメの舞台はスイスで、出てくる料理とかも確かにスイス系でしたが オーストリアのチロル州もアルプスだし、何か疑問を感じたかなと。 チロル州の人から見たら、どうだったんだろう…?(。・・。) 「え?あれ、スイスでしょう?スイスの文化は知りません。」 と言うのを強引に聞くと (・⊆・) 「ええと、ぼくが気になったところは…… 」 (・⊆・) 「牛がいなくて、ヤギしか牧草を食べてないから、 それじゃあ 牧草がのびすぎちゃうよ?って、思いました。」 ∑( ̄□ ̄;) そこか! 私もスイス側のアルプスについて知識がありませんが 夏のチロル州では、広大な牧草地で もりもり大量に草を食べている牛達をよく見かけます。 次々と食べてもらうように、 昨日はここだったから、今日はここ、と ロープを張って場所を変えて、どんどん牧草を食べさせます。 確かにヤギだけだとしんどそう。 他にも相違点はあるだろうに、 ダンナくんが子供の頃に気になった点は、そこか…などと思いました。( ´θ`) |
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AuthorAlpenHausfrau Heidi ■免責事項 当サイトに掲載された記事情報及び意見や見解は、個人の感想レベルであり、その内容について何ら保証しません。情報の間違いなどに対して一切の責任を負いませんのでご了承下さい。 Archives
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