ドイツのキッチンと、日本のキッチン。
比較のために、まずはシステムキッチンで話をすすめます。 システムキッチンって、どこの国でも同じような規格なんだろうなと なんとなく勝手に思ってましたが、実はずいぶん違います。 考えてみれば当たり前な話、作る料理が違って、使う人の体格、暮らし方、考え方が違えば、 そりゃあいろんな点が大きく変わってくるわけです。 つまり、外国人のキッチンの使い方を 違う国の人がそのまま丸ごと参考にするには、無理があると思います。 私は自分なりに工夫してコツコツ取り入れて今に至るわけですが、 こちらに来て驚いた大きな違いは2つ。
1, シンクが小さすぎる。
洗う気あんのか?ってほど小さくて、 日本だったら「ミニキッチン」程度、ビジネスホテル室内程度のシンクです。 大きめでも、だいたいA3用紙サイズ弱ってところでしょうか。 そのことが気になってから、広告や雑誌でもシンクのサイズを見てますが、 今のところ、やはりミニキッチンみたいなシンクがほとんどです。
既出のこのキッチンは、私のコミュニティの中で一番大きなシンクです。
普通はひとつなのに、2槽もある! ダントツぶっちぎりの大サイズ。 ちなみに我が家は、流しの洗い桶くらいの大きさのシンクです。 (詳しくは別記しますが、実は小さいほうが便利です。) 次。 2. 棚が高すぎる。 うちの冷蔵庫内の一番上の棚。床からその棚までの高さが、なんとちょうど180cm! 私にはその棚の奥のほうは全然手が届きません。(笑) 踏み台が必要な家庭用冷蔵庫がこの世にあるなんて、正直ビビりました。 高さが使える分、横幅をとらない冷蔵庫だったりしますが、容量は小さめ。 日本の冷蔵庫の「自炊する一人暮らし程度」でしょうか。 家電広告を見る限りでは、珍しくないタイプのようです。 こちらでも日本人並みに小柄な方もいますが、女性は170〜175cm位の方が多い気がします。 男性はだいたい180〜185cm位でしょうか。 目が慣れてきて、190cmを超えてると「大きい人だなー」と思う今日このごろ。 とりあえず、日本人よりも平均身長は高いと思います。 そのせいなのか、私が「た、高すぎる…」と思う位置でも、 頻繁に使う物を入れたり、使ったりする棚になってたりします。 しかも瓶の大きさからして、そこにしか入らなかったり。 (」゚ロ゚)」 何この嫌がらせー。 逆に、しゃがむのは皆さんお嫌いなようで 立ったままほとんど全ての収納が見渡せるような作りになっています。
目に見える大きな違いは、その2点だと思いますが、
実質的な意味で、日本とドイツのキッチンの大きな違いは「優先順位」だと思います。 日本のキッチンは、収納第一。 どのくらいたくさん収納できるか、それに全力な印象です。 どこでも、何でも、ぎゅうっぎゅう。 まず収納が優先で、次にそれをどのくらい使いやすくできるかが勝負、みたいな。 だから様々な収納術が生まれて、人気もあるんだと思います。 ドイツのキッチンは、利便性第一。 調理も掃除も、どのくらい時間短縮できるか、それに全力な印象です。 東京のマンションと同じくらいの狭い面積でも、誰も収納術なんか使ってません。 物がたくさんあると、時間のロスが出ます。 毎日毎日、そういう時間を無駄にするイライラが嫌なようで それならごっそり全て処分して、 時間・空間・リラックスを増やすほうが人気あります。 「あまり使わないものは、上の棚や、奥のほうにしまう。」って、収納の鉄則だと思いますが、 こちらではそのあまり使わないものは、捨てる、もしくは納戸にしまいます。 一番上の棚には、ボウルとかザルとか、プラスチック製の軽くて大きなものを しまっていることが多いです。これなら私でも踏み台なしで出し入れできて便利です。 とまあ、どんどん捨ててしまえば、とっても簡単なんですが、 それができないから多くの人が困ってるわけで…
なんで日本のキッチンはあんなに物が多いんだろう?
どうしてみんな、捨てられなくて困ってるんだろう? で、 私なりに考えた仮説ですが、 恐らく、それは、 日本の食卓が特殊だからです。 遠い異国の料理もたくさん取り入れた、多彩で豊かな食卓。 それを作るための様々な調理器具と、サイズも形も違う食器たち。 「あれが美味しい」 「これが楽しい」 「おしゃれ」 「ヘルシー」 「簡単便利」 「今、話題の」 etc って宣伝に惹かれて、年々どんどん増えていく。 ごく普通の一般家庭で、毎日、これだけ各国の料理を食べてるのは あんまり他の国では無いことなんじゃないかと思います。 純・和食を3食毎日食べてる家のほうが、もはや現代では珍しいような。 こちらの人達は地元料理を毎日飽きもせず食べていて、 道具と食材がシンプルで、食器はデザインが違っても同じサイズ。 同じサイズだと当然、収納も簡単です。 だから「もうこれ以上捨てる物はない」というなら、 あとはもう、増えすぎたメニューを捨てるしかないと思います。 「これはもう外食だけで楽しもう」っていうのを選んで、その道具も食器も捨てます。 チーズフォンデュ鍋とか、家で出番が少なそうな物をどんどん捨てます。 もしくは納戸か物置に移動して、決めた期間を過ぎたら、捨てるかあげるかします。 私がキッチンをシンプルに片付けられたのは、 日本の食卓に並ぶ料理を、ここでほとんど食べられないことが大きいと思います。 まあそれに悲観することなく、野菜を沢山食べられればいいやと、 こちらのベジタリアン料理をいろいろ試しているんですが、 調理道具も食器も普段と変わらないので、 日本の食卓っていろんな意味で豊かなんだなーと思っています。 (つづく)
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AuthorAlpenHausfrau Heidi ■免責事項 当サイトに掲載された記事情報及び意見や見解は、個人の感想レベルであり、その内容について何ら保証しません。情報の間違いなどに対して一切の責任を負いませんのでご了承下さい。 Archives
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