そう言われてみれば。
こちらで連日、雪が降った場合、 屋根に積もった雪はどうなるかというと、誰も何もしません。 溶け待ち。 屋根の雪下ろしは必要ないように、家が作られています。 木造の家もあるけれど、積もっても壊れません。 日本と湿度が全然違うことが、理由のひとつかもしれません。 小麦粉のようなパウダースノーで、握っても雪玉が作れない雪が多いんですが、 基本的に、三角屋根の上で溶けておしまいです。 玄関先の雪かきも人力は嫌なのに、屋根なんて危ないから、誰も登りません。 そもそも最初から、人が登れるように屋根が作られていないような、 というか、雪も積もることができないような、急斜面の三角屋根も多いです。 (それでも積もってしまった場合、雪が下に落ちないように、大きな雪止めがついています。) 寒くても、雪は意外と溶けます。 洗濯物も、冬の寒い日に外へ出すと水蒸気がモウモウと出まくって、そのうち乾きます。 その水蒸気は、水分が蒸発していく様が、寒さのせいで目に見えているものです。 暖かいと、目では見えないだけです。
ハシゴ的な物が屋根にポツンとついている家もありますが、
それは春夏に、煙突のメンテナンスをする時のもので、 (とりあえずオーストリアの場合は)煙突の国家資格を持ったプロが登ります。 普通、素人は屋根に登りません。 ドイツのほうはご存知の通り(?)太陽光発電が良い投資として、 発電パネルがびっしりついた家が急激に増えたので、 そういう意味でも素人はまず屋根に登れないと思います。 で。 「雪を三角屋根の上で溶かす」というと、 問題は氷柱(ツララ)なんですが、 玄関付近とか、人が通りそうなところは危ないので、 それはちゃんと対策をします。
細長い棒を家に何本かたてかけて、注意書きをつけて、
屋根の真下を人が通らないようにします。 それでおしまい。 不必要なことは、極力、しません。 幼稚園とかだと、立ち入り禁止のテープや柵で囲いを作ったりしますが、 まあそんな感じでおしまいです。 日本の雪国でも同じかもしれませんが、 ここでは万事、そんな感じです。 がんばらなくていいことは、全く、がんばらない。 この辺りで英語が話せない人が多いのも、話す必要がその人にないから。 外国語が必要な人は、英語どころか、5カ国語くらい堪能です。 (3カ国語程度だとそういう系の良い仕事を得るのは難しいらしいです。) そうだ。 ビジネスレベルで英語を話せる友達(ドイツ人)から聞いた話なんですが、 「私の友達、5カ国語話せるんだけど、 なんと彼女は、毎日3時間も勉強してたのよ!!」 って言ってました。 必要なことだけ選択するのが、みんな上手。 不必要な無駄を省いて、楽しい無駄をエンジョイ。(笑) 子供の頃から、学習時間が短くても、要求されるレベルをクリアする訓練をして、 大人は仕事時間が短くても、実績を出す。 思考が整理整頓されてて、 キッチンも、家も、きれい。 大人も子供も、のんびりする楽しい時間がいっぱい。
[あとがき]
ご質問が答えを書きたくなった話題で、寄り道しました。 次回こそは本題を。たぶん。 早い話、キッチンの片付けも料理も掃除も、 物も行動も、不必要なことを全て捨てれば、あとは簡単です。 多くのことをシンプルにすると、管理が楽です。 収納術も時短術も、そんなストレスを増加させるものは 真っ先に捨ててしまえと思います。(笑) などと書きながら、見習い修行中の私も、もっと捨てようと改めて思いました。 時間は有限だから、一日でもはやく、私も上手になりたいです。
[こうこく]
どことなく、すっとぼけてる感じのこの顔が好きです。特にクマ。 タオルの名産地、今治でつくられた超優等生なタオル生地を使用していて、吸水率が高い優れもの。
1 コメント
4月初旬は雪の日々がありながらも、ついに春。
ご近所も庭や家の手入れ、ベランダでのお茶会など 外での活動が一斉に始まりました。 厳しい雪国で、しみじみ感じる春のありがたさ。 (・⊆・) 「雪が降ったら、昔は一冬そのまま埋もれっぱなしだったから、 谷ごとに(集落ごとに)、方言が違うんだよ。」 以前、そんな感じの話をどこかで聞いたけれど、 あながち眉唾ではなさそうに思えるほど、 真冬はみんな、極力、無駄な労働をしません。 だってここは欧州アルプス。 昼の街中でもマイナス10℃以下の気温の中で、 時には、上から横から、雪が降ってきます。 パウダースノーがサラサラすぎる時もあって、 小麦粉に扇風機をかけるみたいに、一度地面に落ちた雪がまた風で舞い上がります。 そんな日は、近くの山も完全に姿を消すほど、視界が真っ白。 もし山中で迷ったら、犬だって帰ってこられないそうです。 冬の日々は、誰だって、 何もせずに、家の暖炉の前で丸くなりたい。 厳しい自然の中で、 限られた食料、限られた燃料、限られた労力。 全ては、合理的に、最小限だけ使うことに、 彼らは代々の知恵で、特化してきたようです。 家の作りや、伝統料理から考えて、 日本で紹介されているドイツの暮らしのイメージよりも、 ドイツアルプスの暮らしほうがミニマム、 さらにドイツアルプスよりも、 チロル州アルプスのほうが、更にミニマムだと、私は思います。(井の中の蛙的な主観で。) 無駄に使わずに済んだ時間・労力・資金は、 楽しいことに使います。
大雪が降った後でも、
個人がスコップなどで雪かきする光景を見かけることは、今までほとんどありません。 庭の車庫から公道まで距離がある家は、 芝刈り機みたいな除雪機で、一気に片付けるから、いつの間にか完了しています。 そのほうが楽に短時間で終わるし、第一、体を痛めにくいです。←重要 スーパーマーケットでの買い物は、大変面倒な重労働だから、2週間に1回程度。 駐車場は屋根無しが普通で、悪天候の時は降雪と風が辛すぎるから。 晴れた日は激混みだから。 何週間分も大量に買い込む人達がたった1つのレジに並んでいるのも普通で、 「ちょっと買い物」で並ぶなんてのも避けたいわけで。 雪が連日続く時もあるから、3、4週間くらい買えなくても 乗り越えられるくらいの備蓄をしているので、2週間ごとなら楽々です。 それでも栄養が足りるように、 美味しいご飯やお菓子ができるように、食文化ができあがっています。
冬から春にかけて、クリスマス、新年、謝肉祭、イースターなど、
楽しい大イベントが冬季に集中しています。 長く厳しい冬を楽しく家で過ごすための、昔からの知恵のように思えます。 家を飾ったり、お菓子を作ったり、友人や親戚の家に遊びに行ったり、来客があったりで、 冬は楽しいことがいっぱいで毎日が大忙し。 季節やイベントで部屋の飾り付けを変えるのは、無駄といえば無駄ですが、 日常の「どうでもいい無駄」を削って、 クリスマスやイースターなどの「楽しい無駄(?)」を思いっきり楽しみます。 童話の「アリとキリギリス」に出てくるアリって、 キリギリスと一冬越して学んだ後、 翌年は、もっと楽しいこんな暮らしをしてたんじゃないかな? 夏は一生懸命働いて、冬は極力働かずに、楽しく愉快に暮らすアリたち。 時々、私はそんな空想をします。 ずっと家にいても楽しい冬の暮らし。 ああ、これならまた東京暮らしになっても、私はもう大丈夫、って思います。 だって大自然は関係なく、一冬ほとんど家の中で過ごす楽しみも知ったから。 家族でどう楽しむかを知ったから。 快適な家に、家族や友人たちとのんびり。 特別な物は何にもないけど、たくさんのお金もいらない。 住む家さえあれば、できること。 節約でも倹約でもない。 楽しい無駄は大歓迎だから、清貧でもない。 リゾートホテルのように美しく片付けられた部屋で 家族や友人たちと、のんびりリラックスしている毎日なら どこに行きたい気持ちも沸き上がってこないです。 ここではレストランよりも、家庭料理が美味しいです。 おばあちゃんたち最高。 どこにも行かず、何も買わず、外食もしない。 それが「暇だ」「寂しい」と悲しむなら、 そういう価値観を、誰かにうえつけられた結果のように思えます。 サザエさん一家が日曜に家族揃っておめかしして デパートへ買い物やレストランに行くのを変に思わなかったように、 今、考えてみれば、 そうして何かを消費すること以外に、 家族で日常的に何を楽しんだらいいのかよく知らなかった、 何も考えずにそれらが普通の家族の休日だと思ってた……などと今は思います。
そんな暮らしの中で、
私がふと気がついたこと。 古い住居も、脱帽するほど工夫されていて、 その知恵は現代の家の作りにもつながっていて、面白いから、 地域の違いとかよく観察しているのだけど、 家全体の面積に対して、 キッチンが、妙に、狭い……? 田舎では集合住宅は少なめで、 注文建築で、内装もそれぞれ自分たちで好きなように作るし、 私が見たことだけで平均を計れないけれど、 とりあえず、私のコミュニティの人達の家は、 リビングダイニングの広さに対して、そのキッチンはアンバランスに、狭いです。 その面積は、だいたい5平米台から。 それはおよそ、三畳半。 小さな家が多い日本の感覚でも、 お世辞にも「広いキッチンですね」とは言えないと思います。 (;゚д゚) 「それなら他を削って、もう少しキッチンを広くすればいいのに…。」 と、最初は思ったけれど、 なぜ彼らがこんな間取りにしているのかは、当然、彼らなりの合理的な理由があります。
簡単に言うと、
狭いほうが便利だから。 歩き回ることなく、コックピットみたいに、 全てにすぐ手が届くほうが効率良く、作業のスピードが速くなります。 私も今までいろんなキッチンを使いましたが、 三畳半キッチンを使うようになってから、スピードが段違いに速くなりました。 キッチンの使い勝手、段取りで、ずいぶん変わります。 私は調理は上手じゃないほうだと思うんですが、段取りがよくなることで、 こんな私でさえ、お米をといでからご飯が炊きあがるまでの約30分間に、 おかず何品かの和食と洋食、2つの献立を同時進行で、 普通に焦らずのんびりと作れるようになりました。 (私は和食が必要だけど、家族は地元料理を食べたいので、 献立2つ分作ることは日常茶飯事のため。) まあ、和食は手に入る材料が非常に限りがあるので、 全くたいしたことない料理ばかりで恐縮ですが、 洋食のほうなら、こちらの地域のレストランにあるメニューを同時にいくつも作れます。 もちろん、電子レンジや冷凍食品などは使わずに。 (たぶん、チンして時短するほうが全体のスピードは落ちると思います。) そもそも電子レンジは使わないほうが美味しいから、私は全く使いません。 いわゆる「時短料理」の味って、好みじゃないんです。 ちゃんと作ったほうが美味しいです。 調理に電子レンジを多用せずとも、手早く作れます。 1つの献立の時は暇だから、 お菓子も同時に作ったり、掃除したり。 掃除だって、キッチンが狭ければ 汚れる面積も狭くて、掃除は少ない労力で、短時間で済みます。 こちらでいくつものキッチンを使ってきたけれど、 調理と掃除のスピードを考えるなら、三畳半がベストだと思います。(今のところ) 実は、三畳前後の広さって、 最近の東京の新築分譲マンションのリビングダイニングキッチン、 その小さなキッチン部分と、ほぼ同じ面積のようです。 「古めの物件はダイニングキッチンが多い = 三畳よりも広い」と仮定すると、 家族向けの物件の多くは、三畳以上のキッチンのはずで、便利な家が多いはずなのに、 「うちのキッチンは狭くて使いにくい。」と日本で一般的によく聞く気がします。 ……どうして使いにくいんだろう? (・ω・) 不要品は全て捨てている、これ以上何も捨てられない、という前提で考えたのですが、 それでもなお、なぜキッチンを狭く使いにくく感じるのか、 答えがわからず、しばらく考え込みました。 利便性がなぜこんなにも違ってしまうのか、 私なりに気がついた仮説と、 そして私が知ったキッチンの配置、使い方などを、 これからひとつひとつ具体的に書いていこうと思います。 (つづく)
[あとがき]
子育ても掃除もみんなつながっていて内容の収集がつかず、 片付けの話をまた遠回りして、しかも徒然に長くなってすみません。 ブログに時間がとりにくい中、まとまりよく書こうとすると、 更新がもっと遅くなるので、そういうのを目指すのはもう諦めました。一緒に諦めて下さい。(笑) 要点だけ箇条書きで書いてわかる人は、すでにきっと、キッチンはきれいなはずだから、 なるべく多くの人にわかりやすく、と思って饒舌になりがちな私です。 私の考えは、全世界全ての人たち共通の答えではなく、ご参考にならなかったらすみません。 まだ見習い状態で途中経過の考えを公表するのも我ながらどうかと思うんですが、 私のファンタジーブログは地道に続きます。
[こうこく]
グルメという趣味に夢中だった若かりし頃、不相応ながら、 ミシュランの星がついたレストランなど名店に数多く行きましたが、 このエーゲ海沿岸のオリーブオイル博物館で作られたオイルの味は、とっても好みです。 他の数多く、なんとか賞受賞とかいろんなオイルを試したけれど、私はこれが一番好き。 美味しいパンにつけて食べるのが一番いいと思います。(*´∀`*)うまー! 販売元さんが販売終了されるそうなので、在庫限りのはずです。 円安な上に、オリーブ不作だもんね。残念。 なお、缶入りサイズがお得です。残りわずか。 |
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AuthorAlpenHausfrau Heidi ■免責事項 当サイトに掲載された記事情報及び意見や見解は、個人の感想レベルであり、その内容について何ら保証しません。情報の間違いなどに対して一切の責任を負いませんのでご了承下さい。 Archives
7月 2024
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