突然なんとなく「Calling You」が聴きたくなって、でも原曲を歌ってる人がわからなくて、映画「バグダッドカフェ」を検索。うまく検索できず、それならタイトルを原題で調べようとして、……初めて、この映画の原題を知りました。
「あ、Out of Rosenheimだと~???」 (;゚д゚) !! ローゼンハイムというのは南ドイツに実在する町名で、そっから先は山だよ、みたいなミュンヘン郊外の最果ての中堅都市です。でも田舎の村からみると、ミュンヘンまで行かなくてもそこで大抵の用が足りるような大きい町。 東京でいうと、立川みたいな存在でしょうか。東京都心からすれば、立川よりもさらに郊外となると次は奥多摩?みたいな、未知の世界のギリギリ。そういう感じの、どこの都道府県でもよくあるごく普通の「郊外では大きい町」。 昔、ドイツのことを何も知らない頃にこの映画を見て、舞台がアメリカだから何の疑問もなくアメリカ映画だと思ってたのに、突然「Out of Rosenheim」です。アメリカだと思ってたのに突然「Out of 立川 」みたいな衝撃でした。 バラバラになっていた古いパズルのピースが、頭の中で次々とつながっていって、長年わからなかった意味がついにハッキリと鮮明になり、思わず手が震える私。そうか、これはドイツ映画だったんだ……。 そうだ、そういえば、あの有名な写真。 めっちゃ掃除してるwwwwwww!!! わかる、わかるよ!ドイツ主婦、ここにあり!!!しかもあの帽子!(爆) あの有名な写真と、見慣れた帽子が結びつくなんて、今まで全く気づきませんでした。 それで、改めて映画を見たのですが、これは完全にバイエルン映画です。妙に南ドイツ文化が正確で、やけに細かいネタが入ってるなあと思ったら、脚本も監督も、ミュンヘン出身の人。ああ、ど~~~りで~~と納得。 例えば、外国映画で日本文化が変になってると日本人は気づくけれど、日本を全く知らない他の国の人には普通わかりません。オーストリアが舞台の「サウンドオブミュージック」は、あれはアメリカ映画であり、本物の文化を入れてないです。でもこれは、ドイツの部分が(誇張的自虐ギャグもありますが)ちゃんとバイエルン。 冷静に考えると、バグダッドカフェはアメリカ文化の表現のほうが怪しい(笑)。30年前のアメリカって本当にこんな感じだったのか私には定かではありませんけど、なんとなく、「30年前のドイツ人が考えるアメリカ」っぽい印象でした。映画の中のアメリカ人たちのやってることが、結局は南ドイツ地方っぽい。(笑)
話してる言葉が、まさかバイエルン語だったとは!しかもこの音楽!服!ハンカチ!あははは!!と爆笑で見始めたのだけど、途中で考えさせられ、最後は涙がにじみました。
ストーリーあらすじをザックリ言うと、 主人公のドイツ人主婦ヤスミンが、アメリカ旅行中に旦那さんと大喧嘩してケンカ別れしちゃって、たまたま「バグダッドカフェ」っていうカフェに流れ着いて、みんなの人生が変わっていくのだけど……彼女はドイツの中でも保守的な南ドイツ地方の主婦、しかも30年前として見ると、それは本当に普通のことじゃない。 あくまでも勝手な想像だけれど、旦那さんとのこのケンカは旅行のために起きた軽いものじゃなくて、もともと夫婦仲は末期も末期だったのだと思います。こちらの人は保守的なためか、宗教上の理由もあるのか、離婚する人は極少数派のイメージです。夫婦仲良く暮らすのは「人生の最優先」な感じ。 しかも、普通は2,3人の子供がいてもおかしくないのに、彼らに子供が一人もいないのはわりと珍しいほうなわけで…。(彼らに子供が生まれなかったのか、つくらなかったのか、亡くなったのかは、ストーリー上 不明。) 恐らく彼女は今までいろんな手段で夫婦仲良くする努力を長年し続けてきて、それでもどうしてもダメで、万策尽きて、ついにとうとうケンカ別れ。しかもそこは言葉もろくに通じない外国。しかも、緑と水が豊かなドイツ山岳地帯とは全然違う場所。真面目に暮らしてきたのに、今までの世界を投げ捨てて、飛び出しちゃった。 昔、この映画を見たときは、ヤスミンが単なるキレイ好きで、バグダッドカフェがあんまりにも汚かったから、掃除してあげたのかなと、気にも留めなかったけれど、南ドイツで暮らす今の私は違うことを思います。 だって、カフェの女主人、ブレンダは、生活に疲れきっていて、常にイライラ攻撃モード。 簡単なおつかいも忘れるダメ亭主、夜遊びばかりする娘、散らかった店内、息子は言うことをきかない、赤ちゃんが泣き出す…。 そんなカフェとブレンダたちを見たヤスミンは、自分の絶望を横に置いて、勝手に掃除を始めた。 まずはスタート地点までやってあげるのが一番早いから。 きっとたぶん、こう思ったはず。「大丈夫、あなたの問題は直せるよ!」 でも、その意味がわからずに、勝手に掃除されて怒るブレンダ。 掃除した理由をもじもじと話すヤスミン。 わーかーるー。 だって、掃除って、本当に、人生に大切だから。 みんながハッピーになる大切なことだから。 南ドイツ女性ならきっと、みんなそう思うんじゃないかな。
人生には、掃除された快適な環境と、ユーモアが必要なの。
ブレンダやカフェのみんなの表情の変化を見て、そうだよそうなんだよ、楽しい暮らしに変わることができるんだよって。私もここの文化を持つ人たちのおかげで変わったから、しみじみ思います。 そういう私も「表情がやわらかくなったね〜」って帰国した時によく言われます。そうかなあ?って思ってたけど自分の昔の写真があ・ん・ま・り・にも険しい顔をしていて、昔はこんな顔して生きていたのかと驚いたりなんかり。渦中にいると気がつかないってこと、抜け出してからじゃないとわからないよなって、しみじみ。 それから、ヤスミンが最後に言った言葉の、本当の意味。 昔、映画を見たときには真意がハッキリとはわからなかったけれど、やっとわかった気がしました。確かに30年前のバイエルンの女性なら、きっとそう言うはず。 他の人はどういう解釈をしたのかしらと日本語で検索してみて、映画を見た日本人の感想をいくつか読んだのだけど、みんな日本人から見た意味の受け取り方をしていて、違う違う、彼女はバイエルン女性だよ、と思いました。 同じ状況で、同じ言葉を、日本人女性、アメリカ人女性、他国々の女性が言っても、たぶん、意味は変わります。 ラストのネタバレになるので、私の意見はここに書きませんが、まだ見てない方は一度ぜひ。 下記のAmazonのリンクから予告編を見られます。道を歩いてるシーンだけで、万策尽きた主婦の絶望感で、私は泣けちゃう。だって、伝統的な服なんて、普通はお祭りの時とかハレの日にハレの場所で着るんだよ。南ドイツ郊外は緑の木々と湖ばかりなのに、彼女はそんな服を着て、砂漠の道を歩いてるんだよ。 ↓
♪ I want to live right here
on the Old Mohave ♪ Live my life in low gear you savvy ♪ and nothing's so tragic cause It's all about magic ♪ Take it away ♪ Love save the day♪
[こうこく]
秋冬もの、再入荷してまーす。ボトムのサイズは、100cm、110cmも。
1 コメント
おてもと
18/9/2015 23:05:09
フラウ-アルペンハウスフラウ、がんつっ、がんつ クール!
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AuthorAlpenHausfrau Heidi ■免責事項 当サイトに掲載された記事情報及び意見や見解は、個人の感想レベルであり、その内容について何ら保証しません。情報の間違いなどに対して一切の責任を負いませんのでご了承下さい。 Archives
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