ダンナくんはユーマを とっても愛していて、大切にしていて、 いつも一緒に楽しそうに遊んでいる。 ユーマの変化や心をいつもよく見ていて、 子供のことをよくわかってる人だなぁと しみじみ思う。 私はそこまでユーマとうまく遊べなくて あんまりにも2人が楽しそうだから 昔はダンナくんの能力と愛情が なんだかうらやましいなぁとさえ思ったりした。 そんなある日、 ユーマと私、 どっちをもっと、愛してるか聞いてみた。 遥か昔、何かの流れで面白半分に 初めて聞いたときは、 私のほうを選んでくれた。 親子と夫婦の愛情に優劣なんかなくて あくまでも話の流れの冗談で聞いたのだけど 真面目にそう返されて こんな宝石みたいな子よりも、更に愛してくれてるのかと やっぱりなんだかうれしかった。 でも いつの頃からだろう。 ダンナくんが迷わず 「ユーマ」と答えるようになったのは。 ああ、そうだよね。 ユーマは本当に愛らしい子だもの。わかる。 愛情が増していくのは、私も同じだもの。 そして 日が経ったしばらく後に そういうのって変化するものかなと 一応また聞いてみた。 ねえ、どっちをもっと、愛してる? 「ユーマ。」 ああ、やっぱりそうか、そうなのか。 結婚してずいぶんたったし、 「ハイジ!」と答えられることは、もうないのかな。 世間一般みたいに 私たちもこうして恋人同士から 普通の夫婦になっていくのかな。 よくある図式のように、子供が中心となって 私たちも「夫婦」になっていくのかな。 ふと思いついて ある日 もっと聞いてみた。 どうして、ユーマのほうを もっと愛してる? 「いまのユーマは、
ハイジよりも、 愛が必要ですから。」 にこやかに、そう言った。 そして続けて、 「ユーマは 愛がない暮らしを、まだ知りません。 愛が必要なんです。」 そう言った。 ああ、そういうことかと思った。 ユーマが成長して巣立っていって いつの日か、また聞いたら また答えは違うんだろうな、と思った。 愛に順番なんか必要なくて それなのにいつも ダンナくんが真剣に答える真面目さがおかしくて 繰り返すお約束のギャグとして 「ユーマです」を面白半分で聞いていたのだけど なるほどなあと思った。 ハイジだよと答え続けられるよりも、うれしかった。 それ以来、この質問はしていない。 冗談で言う気もなくなった。 おばあさんになってから また聞いてみようかなって思ってる。
3 コメント
Ayaka
28/12/2011 14:04:28
初めまして!
返信
まる
29/12/2011 01:26:32
素敵なお話ですね。
返信
まい
3/1/2012 01:06:39
初めまして。
返信
あなたのコメントは承認後に投稿されます。
返信を残す |
このサイトに掲載されている、全てのイラスト・写真・画像の無断転載・複製を固く禁じます。(文章についても、引用の範囲を越えた無断転載や、出典を明らかにしていない引用及び、当サイトへのリンク無しの引用も、固く禁じます。)
AuthorAlpenHausfrau Heidi ■免責事項 当サイトに掲載された記事情報及び意見や見解は、個人の感想レベルであり、その内容について何ら保証しません。情報の間違いなどに対して一切の責任を負いませんのでご了承下さい。 Archives
7月 2024
|